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プロフィール
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reiji.
年齢:
33
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性別:
男性
誕生日:
1984/07/18
職業:
PHOTOGRAPHER
自己紹介:
26歳。宮城県在住のフリーランスフォトグラファー。
コマーシャルフォトを中心に、写真のワークショップ講師やアートイベントのプロデュースなども展開中。
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『俺にはあいつが何を考えとるのかよう分からん』

そう言ってユウはマルボロのメンソールを一息吸って吐き出した。
国道沿いのファミレス。外は雨が降っていた。

ミキは煙草が嫌いなので彼は俺の前でしか煙草を吸わなかった。
そして必ず家に帰る前に歯を磨いていた。

「まるでコソコソ浮気をする旦那様だな」

僕の言葉に彼は洗面所の鏡越しに顔をしかめて見せるのだった


ミキが何を考えているのか、僕はなんとなく想像がついていた。だけど僕は知らないと首を横に振っただけで特には何もしゃべらなかった。


『お前、ほんまのとこ見えとんやろ?その、あの力で』

彼は人目を気にして遠まわしな言い方をした

「見えてたとしてもそのほとんどは口には出来ない事だよ。」

『あいつ、まだお前の事好きなんやろ?』

「さぁ好きというよりは、同じ気持ちを共感できる被害者の会のような感じだろうね」

『もしあいつがほんまにお前に気があんねんなら別れるつもりやで』

「別れられたって困るよ。俺達は一度ダメになってるんだから」


彼はしばらく両肘をついてテーブルを眺めていたがふいに

『ちょっとでええからお前と入れ替わりたいわ』
と言った。





テーブルの上には「遺書」と雑に書き殴られた手紙が2通置いてあった。
ミキがそれを「あなたと私の分」とテーブルに置いたのだ。
僕はどうしてもそれを開ける気にはなれず、しばらくはぼーっと眺めていた。
ミキの物もまだ封は開いていなかった
『読まないの?』
台所でお茶を入れるミキにそう訪ねたが
彼女は何も答えなかった


ミキと別れた後で暁川の橋の下で彼からの遺書を読んだ


玲司へ

お前はきっと俺がお前を葬式には呼ばせなかった事や、お前を待たずにあっさりと死んでしまった事をひどく怒るんだろうな。
ただ俺は俺の抜け殻を見て、お前に悲しんで欲しくはなかったんだ。


世の中には自分を食う人間と自分を育てる人間がいる

玲司はどっちになりたい?



また来世に会えたらいいな。
あわよくばお前とは異性に生まれたい。
そしたらもっと親しい仲にもなれるだろう。


大切に自分を育てていけよ。
そして出来るだけこっちには遅くこい。
ミキの事よろしくな




読んだ後泣きながらその遺書を燃やして灰にしてしまったのはもう6年も前の事だ。
それでも彼の言葉が一字一句頭にこべりついて離れない事で僕は何度も苦しんできた


ミキがいまだに彼の事で苦しんでいるのは明らかだった。そしてその事がユウを苦しませていた。


つまりそれは未練なのか、もしくは過去の残り香のようなものなのか
もしかしたらミキは自分を食う人間なのかもしれないと、僕にはそう思えて仕方がなかった
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